身長が伸びない原因は?遺伝じゃない!

特に男性にとって身長の高さは非常に重要な要素であると考える方は多いのですが、その一方で身長を伸ばそうなどと努力する方は非常に少ないように見受けられます。抗っても無駄である、生まれつき決まっている要素であるなどというイメージが蔓延していますが、そんなことはありません。昔は身長というと遺伝的な要因が支配的であるというイメージが強かったのですが、最近ではそのような説は覆され、後天的な要因によるものという考えが主流です。現に、日本人で見ても全世界で見ても栄養状態の改善にしたがって平均身長は大きく伸びており、少なくとも遺伝で完全に決定されるものではないことはもはや確実です。

 

では、どうして身長が伸びないのでしょうか?乱暴にまとめれば、本来体が伸びようとする働きを妨げる要素を成長期に多く抱えてしまうと、身長が伸び悩むということになります。具体的には、成長ホルモンの分泌がもっとも活発になる睡眠時間を十分に取れなかったり、必要な栄養素をしっかりと摂取できなかったりなど、成長期の生活習慣に大きく起因するといえます。多くの身体的成長は成長ホルモン分泌によって促されますので、成長期に成長ホルモンを十分に分泌することができないと身長が伸びきらないまま成長を終えてしまうことになるわけです。これを後から取り戻すことは難しいですから、成長期こそ健康的な生活習慣を心がけることが求められます。

 

牛乳を飲めば身長は伸びる?成長ホルモン分泌が重要

 

よく牛乳を飲むと身長が伸びるなどといわれてきました。最近ではこれが正しくないことが広まりつつありますが、未だに牛乳を飲むことを勧める助言をたびたび耳にします。骨の主成分であるカルシウムをたくさん摂取したからといって身長が余計に伸びることはまずなく、ましてや飽食の時代である現代において、牛乳を飲んだからその栄養によって身長が伸びる助けになるということはありません。もちろん必要に応じて牛乳を飲むことは否定しませんが、牛乳を飲んでいれば身長は伸びると誤解して本当に必要な対策を怠り、結果身長が伸びないまま成長期を終えてしまうのは不幸なことです。

 

身長を伸ばすために栄養が必要なことは事実ですが、その栄養が必要な理由も成長ホルモンを十分に分泌させるためです。昔は成長ホルモンを十分に分泌させるための栄養が摂取できなかったために平均身長が低かったですが、現代ではよほどの偏食でない限り、成長ホルモン分泌のための栄養が摂取できないことはありません。少なくとも、牛乳を飲めば成長ホルモンが分泌できるという単純な話ではありませんので、牛乳に関しては昔の話として認識する必要があります。

 

近年においては栄養補給よりもむしろ、睡眠と骨端組織に刺激を与えるための運動が重要視されていますし、睡眠時間や運動が不足しがちですので積極的に改善する必要があります。もちろん、不足しがちな栄養素を補うことも重要です。

 

身長を伸ばす方法

 

身長を伸ばす睡眠の仕方

 

身長を伸ばすための対策とは、一にも二にも睡眠です。現代ではスマートフォンや携帯ゲーム機などのせいで睡眠時間を削ってでもこれらに没頭する子供が増えてきていますが、これは体の成長を妨げる重大なリスクです。特に身長に悪影響が大きいため、早い時間に寝付く習慣を付ける必要があります。

 

睡眠は時間さえ取れればいいというわけではありません。寝始める時間と質が重要です。人間は1日の周期に沿って自律神経や内分泌系などのバランスを取っていますので、できるだけ同じ時間に寝て同じ時間に起きることが重要です。特に身長を伸ばすために重要な成長ホルモンは、通常夜11時前後から多く分泌され始めるため、この時間帯には深い眠りについていなければなりません。また深い睡眠に付くための対策も必要で、体をリラックス状態へと誘う副交感神経が優位な状態でなければ、睡眠後もなかなか深い睡眠状態であるノンレム睡眠に移行できません。このために、寝るときは電気を消して暗くして寝るだけでなく、寝る直前に強い光を発する電子機器などをできるだけ触らないことも重要です。

 

夜食も睡眠の質を落とす重大な問題です。胃の中に食べ物が残っている状態では、それを消化しきるために胃や腸に多くの血液を回さざるを得ず、結果的に体が休息状態に移行できません。その状態で夜11時を迎えると成長ホルモンの分泌が十分に行われないため、夕食は早いうちに済ませて、寝る寸前に消化が必要な固形物やカロリーのある飲み物を摂取するのは控えましょう。

 

身長を伸ばす運動・ストレッチ

 

睡眠と並んで、身長を伸ばすために重要な要素が運動です。身長が伸びるメカニズムが解明されるにつれて注目されるようになったのが骨端軟骨で、成長期はこの骨の端に位置する軟骨が固まりきっておらず、この部分が伸びることで身長が伸ばされることがわかりました。そして、骨端軟骨の成長を促す大きな要因が運動なのです。

 

いうまでもなく身長とは垂直方向への体の伸びですから、垂直方向への刺激を骨に与えることが身長を伸ばすことにつながります。この点を踏まえて効率的な運動を考えるならば、やはり縄跳びなどのジャンプを断続的に行う運動となるでしょう。縄跳びは義務教育で行う運動ですので、練習ついでに家でも子供に行わせれば、身長を伸ばすためのトレーニングを兼ねることができます。

 

とはいえ、現代人はとにかく運動不足であることがたびたび取りざたされるように、効率以前に絶対的な運動量が足りていません。したがってあまり効率を重視せずとも好きな運動の趣味を作らせることが重要です。立ったり走っている時間の長いスポーツはどれも身長を伸ばすための十分な刺激になりますし、特に長時間骨に刺激を与えるジョギング・ランニングを趣味にできれば最高です。

 

身長を伸ばすためには継続的な骨端軟骨への刺激が必要であり、何よりも続けることが重要ですので、身長のために無理やり運動させるのではなく、運動の楽しさを実感してもらうことを最重視しましょう。

 

身長を伸ばすために骨の成長に必要な栄養素

 

飽食の時代とはいえ、現代においても不足している栄養素というのは少なからずあり、足りない栄養素は積極的に補う必要があります。栄養素はよく桶の例えで説明され、桶を構成する板の一つが短ければ、他の板がどれだけ十分な長さであっても、短い部分から水が漏れ出してしまい貯蔵できる水の量は増えません。このように、いくら飽食の時代でも不足している栄養素があれば、その栄養素に足を引っ張られて健康状態が上向かなかったり、成長が十分に行われなかったりするものです。

 

身長の成長に焦点を当てると、まずカルシウムはやはり重要な栄養素です。牛乳でカルシウムを摂取すれば身長が伸びるわけではないと説明しましたが、カルシウムが骨や骨端の成長に重要なことと、全年代においてカルシウムの摂取量が目安量に届いていないことは事実です。たくさん摂取したからその分骨が伸びるというわけではありませんが、不足はしないようにしなければなりません。

 

同じく必須ミネラルとしては、マグネシウムや亜鉛も重要です。特に亜鉛は第二次性徴において重要になる栄養素でもありますので、成長期にこそしっかり摂取しなければなりません。

 

また、タンパク質ももちろん重要な栄養素です。タンパク質の摂取状況は個人差が大きく、好き放題に食べていても極端に過剰な人と極端に不足している人に真っ二つに分かれています。お菓子など間食ばかりしていて食事をあまり取らない人は不足していることが考えられますので、間食を止めて食事でしっかりタンパク質を取る必要があります。

 

身長を伸ばすカギ、成長ホルモン分泌量を増やすアルギニンを摂ろう!

 

ここまで説明した睡眠・運動・栄養摂取などは身長を伸ばすためのいわば基礎であり、これらでお膳立てを行った上で体が成長してくれるのを祈ろう、というのが一般的な対策ですが、もう一歩突っ込んで考えてみましょう。

 

成長ホルモン分泌のカギとされるのが、遊離アミノ酸の一つであるアルギニンです。アルギニンは全身の血行をよくしたり骨や筋肉の成長を促すことが知られており、筋力トレーニングなどを行う成人男性が主にサプリメントなどから摂取することが多いですが、実は成長期にこそ必要な栄養素です。というのも、アルギニンは体内で合成することができる非必須アミノ酸ですが、体の状態によっては生合成量が全く追いつかなくなるために経口での摂取が事実上必須となる「条件付き必須アミノ酸」であり、その条件とは大けがや病気を患っているときと、そして成長期なのです。成長期にはアルギニンをしっかり補給しなければなりません。

 

アルギニンは動物の肉や大豆、その他豆類などに含まれ、基本的にはタンパク質が豊富といわれる食材を意識して食べていればそれなりに摂取できるはずですが、特に運動部所属などで体をハードに動かす子供や、成長に関して栄養面での万全を期したいという場合は、サプリメントの利用も一考に値します。前述の通り、アルギニンの積極的な摂取は成長期の子供にこそ求められるものなのですから。

 

中学生・高校生は背が伸びる確率が高い!大学生・成人の人は可能性はある

 

漠然とした印象として、高校生くらいになるとすでに身長の伸び方は大方決まってしまったかのようなイメージを持つ方は多いようです。高校生になっても身長が低いと、それまで行ってきた対策を止めてしまうなどといった話はたびたび耳にしますが、とてももったいないことです。成長の余地でいえば、中学生・高校生ならばまだまだ十分残されていると考えて間違いなく、それ以降であっても伸びる可能性はあるのです。

 

身長の伸びは骨端軟骨が固まってしまうとおよそ収束に向かい、その後に大きく伸びることはあまり望めません。ですが、骨端軟骨が固まっていなくても身長が伸びないことは普通にあります。そして、高校生になっても身長があまり伸びないというケースでは、高校生にしてすでに骨端軟骨が固まってしまっているということはあまり考えられず、まだ本格的に伸び始めていないだけと理解すべきです。骨端軟骨が固まっていないのに、身長を伸ばすための努力を止めてしまうことは、まさにもったいない行為以外の何者でもありません。骨端軟骨が固まってからでは取り返しが付かないのですから。

 

一方で、骨端軟骨が完全に固まっているであろう成人後であっても、全く成長が望めないわけではありません。そもそも骨端軟骨が固まる年齢は個人差がかなり大きく、20代半ばでようやく固まるという人も普通に存在します。ですので、20代半ばまでは身長を伸ばすための努力をする価値はあるといえます。